RUNNERS HIGH -福祉のミカタ-

羅 世玲 『無力感から解放される福祉の在り方とは?』 FUKUOKA RUNNERS vol.2

失敗が続いて、自己嫌悪になって

『何もしたくない。』

と、無気力になって、誰とも会いたくなくなるような経験をしたことを一度はあるのではないでしょうか?

今回インタビューをさせていただいた羅世玲さんはその無気力について研究をしてきました。

羅さんは、女子大学で障害者支援論を教えている非常勤講師。
ポリオによる後遺症の障がいがあり、
普段は車いすで移動されています。

お話を伺うなかで気づいたのは、
日々生活するなかで僕とは違った視点で物事を捉え、問題意識をもたれていたことです。

果たして羅さんから見える問題とはどのようなものなのでしょうか?
なぜ、無気力について
羅さんに福祉の理想の在り方についてお伺いしました。

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福祉の問題って何だろう?

中尾:今、大学で福祉に関して大学生へ授業をされているということなのですが、
率直にお伺いいたします。
羅さんが感じる福祉の問題点は何だと思いますか?

:そうですね・・福祉の現状を社会人でも大多数が知らないことではないでしょうか。
私は日本の福祉が、これから進んでいったとしても、周りの意識が変わらなければ何も変わらないと思っています。
例えば点字ブロックだってそうです。

視覚障害者にとって点字ブロックは目的地にたどり着くために必要なものなんです。

だけど天神に見渡してみてください。
普通に点字ブロックの上に、自転車を置いている人がたくさんいるというのが現状です。
要は自分とは関係ないって思うこと原因なんです。

いつ自分がそのような状態になるかわかりません。
明日にだってもしかしたら自分自身が車いすでの生活を強いられる可能性だってあります。
その時になって考えようと思っても人は、そんなに強くないから再起することは難しいですよ。

中尾:つまり、福祉の問題点は『無関心であること』なんですね。
どれだけ制度や環境が変わったとしても『人』が変わらなけれ何も変化しないのだと思いました。

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自分らしく生きれらる理由

中尾:ただ、何かしたいと思っているけど動けていない人がいることを僕は知っています。

友人にも、

『関心はある。だけどどのようにアクションを起こしたらいいのかわからない』という人もいますよね。

『実際に障がい者の方と街で出会った場合どのような対応をしたらいいのか分からない・・・』

『声をかけることで嫌な思いをされるのではないだろうか?』

という悩みを持っていました。
このような場合は、どうすればよいのでしょうか?

思ったように声をかけて下さい。
断るときは本当に助けが不要なだけです。
傷つく必要はありません。

私が今こうやって言い切れるのは母のおかげです。
母は、自分らしく生きる術を私に教えてくれました。
健常者と同じように育ててくれたのです。

本当に助けが必要な時には助けてくれました。
でも、その他は全て自分でやるようにと常に言われていました。

私のように身体に障がいがあれば、通常は養護学校に通うのでしょうが、
私は中学、高校も普通の学校に通いました。

他の人と同じ空間で、同じ教科書を開いて勉強しました。
だけど時々、自分ではどうにもならない時があって生きている意味を探しても見つかりませんでした。

そのモヤモヤした気持ちがあって大学院では、
自分自身をもっとしるために障害者心理学を専攻しました。

論文のテーマは学習性無力感です。

学習性無力感とは長期にわたって、
回避の困難な環境に置かれた人は、その状況から逃れようとする努力すら湧かなくなるというものです。

※ウィキペディア参照

ある実験で犬に電気を浴びせ続けた時、最初は抵抗するけど最後は逃れることができないと諦めてしまうと知りました。

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無力感から脱却するために

中尾なぜそのテーマについて学びたいと思っていたのでしょうか?

これが自分たちも同じように思えたからです。

直視すればするほど精神的に辛くなりました。

無力感に陥るとそこから立ち直ることは大変難しいものです。

中尾ここから抜け出す方法はあるのでしょうか?

:この問題解決をするためには社会が変わること。
ここにはあまり期待できません。

ではどうするのかというと、
それは自分で小さな成功体験を作ることです。

そして立ち直るためには成功体験を重ねること。
それも絶対に成功するとわかっているような足し算とか引き算とかの問題ではなく、

努力して掴めるものでなくてはなりません。

中尾:そのようなまずは身近なところから、小さな一歩を踏み出せる環境を作ることが必要なのですね。

羅さんの話しを聞いて思ったことがあります。

それはいきなり大きな成功を目指すと人というのは、
他者の目を気にしている人が多いんじゃないかって。

僕が以前そうでしたから。

最初は自分のために小さな挑戦をしてみてみようと思いました。

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十人十色

中尾:羅さんから最後に一言メッセージをお願いします。

:障がい者も同じ人間です。
同じように喜怒哀楽があります。

同じ本や映画を見ても、それぞれ違う感想を抱きます。
今は、そのことに授業を通じても一人でもいいので気づいて意識してもらえればと願っています。

中尾:まずは関心を持ち、気づくというところから始まるのですね。
そうすることで、少しずつ環境が変わっていくのだと思いました。
羅さん、今回はインタビューを通じて自分では気づけない視点をいただきました。
ありがとうございました。

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